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日本人が失いつつあるもの

  15日付の「正論」欄に日本思想史研究者の先崎彰容氏が「微笑の喪失」という文章を書いておられた。戦争終結後しばらくして奈良に遊んだ亀井勝一郎は、中宮寺の如意輪観音のあの静かな微笑に強く惹かれる。敵を罵倒し、見せ掛けの勇ましさが闊歩し、動脈硬化を起こしたような精神が支配したあの戦争のなかで、日本人はこの微笑を忘れてしまっている、というのである。先崎氏は亀井に共感しつつ、今日、われわれもまた微笑を喪失しているのではないか、と書いておられる。

  確かに、この時代、われわれは、右であれ左であれ、自分と異なった意見には耳を傾けず、国会前であれ国会内であれ、大声で自己主張をし、中国・韓国に罵声を浴びせ(また、先方からも罵声が飛んでき)、ツイッターやLINEで気に入らない者を誹謗し政治家であれ企業の幹部であれ学校の先生であれ、失態とみれば、すぐに責任を取れとばかりにつるし上げる。こういう時代にはなってきた。

  新聞を見ていたら、今年をあらわす熟語として「千客爆買」などというのが載っていたが、山ほどの商品を抱えて大声で騒いでいる海外からの観光客を、GDPをいくら押し上げてくれた、などと持ち上げて恥じない風潮も殺伐としたものである。

  グローバルな大競争の時代になり、どの国もゆったりと成長できる世の中ではなくなった。競争は、国の単位においても、企業や組織の単位においても、あるいは個人を単位としても、勝者と敗者を作り出してゆく。構造改革で、勝てるところにカネをまわせ、勝てないところは切り捨てよといった政策を続けた結果も手伝い、この十数年のうちに、われわれは、すっかり余裕を失ってしまった。

 余裕を失ったのは、十分な経済成長を生み出すことができなくなった富の世界だけではなく、われわれの精神の方も同じである。いや、停滞の20年などといっても、日本は依然、経済大国である。富は十分にある。しかしこの豊かさのなかで、われわれは、精神的な安寧や余裕を失っている。自分を支えるために、少しでも自分に敵対する(と思われる)ものを攻撃し、自分を傷つける(と感じられる)ものを罵倒し、自己の存在を示すために大声で自己主張をする、という風潮へとなだれ込んでしまった。

  こうしたことは、もともと、われわれ日本人がもっとも忌み嫌ってきたことではなかったろうか。大声で言挙げしない。強引な自己主張は控える。相手の気持ちを忖度する。ことにあたって冷静でいる。友を裏切らず、他人を誹謗しない。仁や義を重んじる。こういったことがらは日本人の精神文化の核にあったはずだ。それが、このグローバルな大競争の時代に失われつつある。古都奈良にも海外からの観光客がかつてなくやってきている。中宮寺にもやってきているのであろう。しかし、この観音の微笑(アルカイック・スマイル)は観光のためにあるのではない。われわれ自身の精神を映すものなのである。
(佐伯啓思教授、12月28日、産経ニュース)

  学芸(譲り合いT美大♪)・大冗談宗教・色呆け…とは一線を画す佐伯先生ですがwww年末サプライズとしての日韓外相会談、慰安婦問題における合意のニュース、非常に画期的なもので関係者には敬意を表しますが、一方この合意は安倍政権と朴政権間の友好確認、ととった方がよいようです。

  韓国側の固い決意、本気度を見極めるといって訪韓した割には共同文書はなしですからね。安倍政権と朴政権は信頼できます、私はこの合意は「テロや無理難題の応酬では事態は何も解決進展しないよ、日本は隣国を攻撃した後日の相手国の心情、また韓国は煽情的に傾きがちな口撃の内実、それらをよくよく慮るべきだ、広く共有すべきだ」と解釈しました。しかしこれらの高度な配慮が日韓両政権の枠組みを超えてどれだけ実際の国民・庶民の心情に浸透していくかとなると、これは未知数と言わざるを得ません。長期に渡る推移を眺めた上でこの合意の成否は評価されることでしょう。勿論この背後にはオバマ大統領の促進力が働いています。

  そしてそして、エンブレムや競技場問題、医療不正問題、この日韓慰安婦問題のニュースに隠れ、TPPはどこの国々も各階層が声高に反対しているのに、何より米大統領候補の複数名が反対を表明しているのにも関らず、着々と進行しています。これは批准決定した後でも何度でも言います。アメリカ国民や日本国民が代議士政治家に「TPPを是非やってくれ!」とお願いしましたか? ごく一部、アメリカでは「1%」と揶揄される少数の富裕層のエゴのために民主主義がないがしろ、破壊されようとしているのです。私は危険なマルチ商法のような(契約書のハンコ突くまで帰さないよー 終電なくなっても何時間でも喋るよー)一部の幸運かつ一時的な成功者以外は生活環境をも根こそぎ荒廃させてしまうTPPには絶対絶対反対ですっ!!! TPPと中国の軍事的脅威はこじつけであり、関係ありません。日本側のリスクの方が高く思えるのです。

  ですからTPP提案推進論者の民主=維新など支持できるわけもなく、選挙の時だけ「国民の皆さんの国土と暮らしを守ります!」政権が軌道に乗ったら頼んでもいない売国政策にいつの間にやら大転換…これは自民党から共産党、すべてに共通する悪弊で(共産党もマルクス・レーニン講義の義務教育化と人民解放軍は必須でしょ?)、だから政治不信で選挙に行かないのです、公約を守ってもらえないのがミエミエだから。日韓合意は重い英断です、がしかしアメリカ様の振付通りに従来の主張も、影響も国益も二の次にしてそのまま従うその態度にこそ国民は密かに戦慄と落胆を覚えているのです。このような態度ではうまくいかないように思えるのは単に弱者の僻み故でしょうか。本年もありがとうございました。よいお年をお迎えください。
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